サラリーマンのちょっと一言
  
車の乗り換え 顛末記(その3) キャミに決めた 
 <掲載 2002. 8. 9>
 
 友人に教えられた「キャミ」なる車。最初はまるで当てにしてなかった。まあ、一応どんな車か見ておくか、くらいの気持ちである。実際に車を買うまでのこの選定の時期は意外と楽しいものだ。あれやこれやカタログを見比べているだけでも面白い。ついでにキャミのカタログももらっておいて損はない。
 
 会社の帰りにトヨタカローラに寄ったら、東京トヨペットだという。どこにあるだろうと探したら、自宅から至近距離にあった。通勤経路をちょっと外れていたので、これまで気が付かなかった。現物は置いてなかったので、カタログだけもらって帰ってきた。
 
 キャミのカタログには女性モデルがあちこちに登場し、完全に女性向きの車として位置付けされている。ボディーカラーもピンクが表紙を飾っているのだ。しかし、スペックを見るとこれがなかなかなのものである。車長3,750mm、排気量1,300cc、最低地上高190mm。アプローチアングルなども掲載され、悪路走破性もそこそこあるのをアピールしている。それまで本命だったパジェロイオに、強力な対抗馬が現れた。
 
 カタログを見ているだけではしょうがない。試乗させてもらうことにした。トヨタ社員の個人の車というのが用意された。ダンボール箱などが積んである、生活感あふれる試乗車だった。重し代わりに連れて行った体重70Kgの親父とトヨタの男性担当者を乗せ、たっての希望で中央高速の談合坂付近をエアコンをつけて走った。それが1,300ccでもまあまあ登るのだ。知り合いが持つやはり1,300ccの車によく乗せてもらうが、坂道は非常に非力で、きつい登りとなるとエアコンを切っていた(ちなみにその車はミラージュとかいう)。これまでのジムニーと比べてもずっとパワーがある。
 地元で「お化け坂」と呼ばれる急で細く曲がった道も登ってみた。ほとんど運転に支障はない。小型で小回りが利く。ただ、隣りに乗る親父がやや窮屈そうには見えたが、そう全てが満点とはいかないのは仕方ない。
 
 何の期待もしていなかったキャミだが、それまでの最有力候補であったパジェロイオよりも好感触である。値段もぐっと安い。ディーラーが3月は決算月なので、3月中に契約をすると安くできるとしきりに薦める。ジムニーのミッションを直してもう少し乗り続けることも頭をよぎったが、ボディーカバー(定価10,000円)とCDラジカセをサービスで付けると言われ、3月もあと数日で終わるという土壇場でOKを出した。
 
 納車まで1ヶ月弱と言う。その間、ジムニーをだましだまし走らせる。よく見ると町中にキャミが走っているのを時折見掛ける。それまで世の中の車は、「ジムニー」と「それ以外」の2通りの区別しかなかった。最近になって、ジムニーにしてはちょっとおかしな車が走っていると思ったら、それはパジェロミニという車だった。それが今回いろいろ車を調べたので、随分物知りになった。あれはCR-Vだとか、あれはRAV-4の2ドアだとか、判別がつくのである。しかも、会社の駐車場にいつもキャミが1台停まっているのを発見した。長年勤めてきたが、全く気付かなかったのである。

 そんな折、またキャミを見付けたと思うと、なんとナンバープレートが黄色なのだ。それにどこかしらおかしな感じがする。ちょっと小さい気のだ。一瞬のことだったので錯覚かとも思った。ところが会社の同僚に偶然キャミを買うことを話したら、ダイハツでも同じものを出していると言う。しかも、軽のクラスもあるとのことだ。会社の帰り、慌てて近くのダイハツのディーラーに駆け込んだ。トヨタにキャミを予約しているなどとは明かさず、いろいろ話しを聞く。すると、ダイハツではキャミと同じクラスをテリオス、軽のクラスをテリオスキッドとして販売していた。元々軽を出す積りで先にテリオスを開発したらしい。だから、車内空間はテリオスとテリオスキッドと全く同じなのだ。ただ、テリオスの方が荷室がちょっと後ろに長いだけ。車幅についてはテリオスキッドより幅の広いタイヤを履いているせいで、カタログ上の数値がちょっと大きくなっているに過ぎない。後はエンジンが1,300ccか660のターボかの違いである。キャミってほとんど軽自動車だったの?!!

 
 どうもトヨタで試乗した時、何の違和感もなかった筈だ。それまで乗っていたジムニーと何ら大きさが変わらなかったのである。軽ではない大きな車を買った積りが、何となくガッカリである。東京ビッグサイトに出張する機会があったので、その帰りに近くのトヨタの展示場に寄ってみた。改めてしげしげと、キャミの内部を観察した。まあ、少しはジムニーより広いか・・・。  (つづく)
 
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