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八草峠    岐阜の山奥を抜け滋賀県木之本へ
   
はっそうとうげ  (峠と旅 No.007)
(掲載 1997. 6.20)
   
八草峠/回想(掲載 2019. 9.18)


峠より滋賀県側

峠より滋賀県木之本町方面を望む

峠

雨の日の峠

 岐阜県北部は山深く、お気に入りのエリアである。面白い峠越えの道が幾つもあり、この八草(はっそう)峠の道もそのひとつだ。303号の国道番号が付いてしまった完全な舗装路だが、峠付近の道の狭さは立派なものだ。岐阜から敦賀方面に行きたい時に好んで通る。

 峠はとても賑やかだ。八草峠と書かれた石柱や地蔵、国道昇格記念碑、八草峠周辺観光案内図などがある。道幅も峠部分だけ広くなっているので、車を止めずに通り過ごす訳にはいかない。車を下りてしばらく散策する。

 国道昇格記念碑には昭和45年5月の日付が入っている。坂内村案内板によれば、峠の標高は740m、木ノ本町から10Km、横山ダムから22Kmだそうだ。車の転落事故で死傷者が出たことなども載っている。

 峠からは両県側ともに展望がある。

峠の碑

峠の地蔵たち

横山ダム   横山ダム

 岐阜県側の入り口は横川ダムである。岐阜市の方から国道303号で来ると、直進する高倉峠や冠峠に続く国道417号と別れ、左にダムの堰堤渡って進む。

岐阜側

峠より岐阜県坂内村方面を望む

 

 ダムから先は坂内村最終の集落川上まで普通の道路が続く。右にホハレ峠(通行不能、廃道状態)への道や夜叉ケ池、夜叉壁(行ったことがないので何の事だか分からない)への道を分岐した先あたりから道幅はぐんと狭くなる。川上集落から峠まで残り8Km。対向車に注意しながら登る。

分岐

左に鉱山跡への道を分岐する

鉱山跡

異様な土倉鉱山跡

滋賀県側の道

滋賀県側

先程通った道が遥か下に

 

 滋賀県側の入り口は木之本町の国道365号からの分岐で始まる。入り口はやや狭っ苦しいが、その先道幅の広い区間もあり走り易い。金居原の集落を過ぎ、左に土倉鉱山跡への道を分岐した先から狭い上りが始まる。

 分岐付近の周りをよく見ると、草に覆われて幾つもの廃屋が不気味に佇んでいる。鉱山労働者の宿舎だったのだろう。分岐に入りしばらく行くと鉱山跡が現われる。何がどうなっているのか分からない構造だが、異様さが面白い。

 峠までは曲がりくねった道を行ったり来たりしながら高度を上げる。空が大きく開けたと思うと間もなく峠だ。

 八草峠の道もご多分にもれず冬期通行止。うかつに来ると通れない。特に岐阜県側からアプローチして峠を越せないと、延々大垣市まで引き返し、伊吹山の南麓を迂回する羽目になる。

通行止

 特に滋賀県側の雪解けが遅い。横川ダム湖畔の標識では毎年12月15日から翌3月31日まで滋賀県側冬期通行止と出ているが、その先の標識で4月30日までとなっており、川上集落の先で道の半分がゲートで塞がれている時もあった。

 しかし滋賀県側には迂回路があるのだ。峠を滋賀県側に少し下った所で左に鋭角に分岐する未舗装路がある。金居原集落に繋がる日ノ裏林道だ。完全未舗装だがよく整備されていて、普通乗用車でも無理なく通れる(1997年4月現在)。本線が通れない場合でも、この林道が通れる場合があるので試してみるとよい。しかも本線より近道のような気がする。ただ眺望に関しては本線の方がやっぱり上。


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