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十部一峠
 
じゅうぶいちとうげ (峠と旅 No.028)
月山を眺めながら肘折温泉へ
(掲載 1997.  9.10)
 
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十部一峠
十部一峠  奥が寒河江市
やや霧がかかっている

 十部一(じゅうぶいち)峠は山形県の寒河江市大字白岩と大蔵村大字南山肘折を結ぶ旧主要地方道新庄大江線、現在の国道458号の峠で ある。標高は874m。
 国道と名前が付いて久しいが、相変わらず峠前後は未舗装なのが嬉しい(1997年8月現在)。道はほぼ南北に延び、峠の西遥かに望む月山と、東にはやは り信仰の山、葉山とに挟まれ山深く、迂回路などはもちろんない。地元の方や山仕事、登山者以外に通る者はダート走行目的のオフロードバイクぐらいだ。わざ わざただ車を走らせる為だけにやって来る者は、どう考えてもどこかおかしいに決まっている。

 寒河江市側からは鶴岡市へ向かう国道112号の途中より「幸生5Km」の矢印標識に従って信号のある十字路(左折の道が狭く、ほとん どT字路に見える)で右折する。道は熊野(ゆうの)川沿いを右岸を走ったり、左岸を走ったりしながら進む。幸生(さちう)近辺は走り易い2車線路だが、寒 河江市側最後の集落柳沢辺りから道幅は正直に狭くなり、離合するのも厄介な1車線になる。
 丁度3年前(1994年8月)に通った時はまだ未舗装区間が随分残っていたという記憶がある。今回(1997年8月)は果してどうだろうかと期待する。

寒河江市側道幅縮小
寒河江市側柳沢辺り
ここから道は狭くなる

未舗装路
熊野川沿いのダート

 国道112号から10Kmも来ない所、丁度川の左岸に渡った先で舗装は切れた。まだ川の谷は深くなく、川に沿った平坦なダートであ る。路面の荒れは少なく、走り易い。
 しかし残念ながら心地よい振動を体に感じるダート走行は、峠の本格的な上りが始まると同時にアスファルト路面の出現により終わりとなる。体はカーブの度 に左右に振られるだけで、何か物足りない感触だ。代わりに景色で目を楽しませる。

峠の標識
峠の標識

峠の旧標識
3年前の峠の標識
現在より背が高い

 舗装は峠まで続いている。以前はもう少し未舗装区間があったような気がするが記憶は曖昧である。
 寒河江市側より来ると、峠の広場は最高所より少し下った所にある。左に林道(米松林道?)を分岐し、右には僅かな駐車スペースがある。「十部一峠」と書 かれた標識の前に車を止めた。隣りに「国道112号まで20Km」とある。峠から下界に下りるには寒河江市側の国道112号に下った方が距離も少なく道も 比較的良い。大蔵村側は肘折温泉までの道が険しく、その先大蔵村中心地までの距離もある。
 旅から帰った後で気が付いたが3年前にも峠の同じ所に車を停めて写真を撮っている。比べて見ると峠の標識が昔より縮んでいた。

 峠を大蔵村側に下りだすと直ぐに未舗装となる。しかししばらく行くと舗装になり、このまま舗装かと思うとまた未舗装になる。最初は未 舗装区間の数を数えていたが、いち、に、さん、それ以上はたくさん。と言う訳で何回舗装と未舗装を繰り返すか正確な数は不明である。
 困るのはパートタイム4WDの車なのでいちいち2駆と4駆を切り替えなければならない。しかも未舗装が始まったかと思ったらアスファルトが少し剥がれて いただけだったり、舗装かと思ったら橋の上だったりと、フェイントを掛けられてしまい厄介だ。

大蔵村のダート
峠より大蔵村側に少し下りた所  ダート
肘折まで15Kmとある
この先舗装と未舗装を何度か繰り返す

月山
遠くに月山を望む

 標高が高いうちは、霧がかかり易いが晴れれば展望が良く、遠く月山も見えるはず。しかし下って祓(はらい)川沿いを走る様になると夏 には草木が鬱蒼と生い茂り、暗く湿った雰囲気を受ける。川に沿った崖に作られたやや険しさを感じる道である。
 険しさはそのまま肘折温泉近くまで続く。肘折温泉側からこの道に入り込むと、途端に険しくなるので心の準備ができない。寒河江市側からは徐々に険しさが 増すのでアプローチし易いのではなかろうか。
 肘折温泉から先はつまらぬ2車線路で言う事はない。


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