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小川峠  


小川峠
小川峠  奥が小川  右に奥山林道分岐
右端に朽ちた電話ボックス 女性の名が大書してあった

 岐阜県には楽しい峠が沢山あり、県内やその周辺の県との境などを旅して回ることが多い。この小川峠も岐阜県をあてどなくうろついていて、巡り合った峠のひとつである。

 峠のある郡上郡明宝(めいほう)村は以前は明方(みょうかた)村と言った。最初に峠を訪れた時に持ち歩いていたツーリングマップには明方村とある。よってアルバムにも「明方村畑佐」などと書き込んである。その時は明方村と信じ込んでいたが、もしかすると既に明宝村だったのかも知れない。

 明宝村の中心を通る国道472号の畑佐と言う所より峠に通じる県道86号金山明宝線が分岐している。地図を見ると分岐点から峠まで水平距離は2Km程と短いのだが、地図に書ききれないほど道がごちゃごちゃくねっている。一体どんな道だろうかと訝しがらずにはいられない。

県道86号分岐
県道86号の分岐  奥のT字路は国道472号

県道の通行規制
県道の通行規制  明宝村畑佐

 県道86号には通行規制がある。国道からの分岐を入ってすぐの所に標識が出ている。明宝村畑佐から明宝村小川までの10Kmの区間について、連続雨量60mmまたは時間雨量30mmで通行注意、連続雨量90mmまたは2時間雨量60mmで通行止とある。その標識の先にゲートがあり、ゲートを過ぎると早くも登りが始まる。

 通行規制があるだけあって案の定、道は右往左往しながら、どんどん高度を上げて行く。途中景色を眺める余裕もない。登山道を無理矢理拡幅、舗装して車を通している様なものだ。

 峠から畑佐方面の眺め
峠より畑佐側の眺めはすばらしい

峠
小川峠(1997年4月)
朽ちた電話ボックスは取り払われていた

峠の上
峠の上の造成地

 運転に悪戦苦闘しても、峠に着けばすばらしい眺めに報われる。ついさっき自分が居た下界を遥か下に見下ろすことができる。よくもまあこんな短時間にここまで登って来たものだと感心する。

 峠には変電設備らしい建物と、電話ボックスがある。最初に訪れたときは鉄製とガラス張りの新旧2台の電話ボックスが並んでいた。片方の鉄製はひどく錆び、外に大きく女性の名前(KKさん)が落書きされていた。どちらもひどく荒らされていて、中の電話機は取り払われ、使うことができない状態だった。2度目に訪れた時はどちらの電話ボックスもなく、代わりに緊急時用らしい電話が設置されているだけで、もう一般の電話は掛けられなくなっていた。

 1997年4月、以前は気が付かなかったので、なかったのかも知れないが、峠の尾根の上に上がる道が付けられていた。4輪駆動車なら車で乗り上げることが出来る。尾根の上は造成中であった。丁度誰もいないので、しばしゆっくり休む。少しして下りてくると数台の車が道端に止まり、景色を眺めていた。尾根の上は4輪駆動車だけの特等席である。

奥山林道分岐
峠より奥山林道分岐

奥山林道
奥山林道  和良村との村堺付近 未舗装

 峠は左にカーブして尾根を回り込む。右に一本未舗装路が分岐する。入口に奥山林道と書かれた木の柱が立つ。最近の地図では県道322号畑佐和良(わら)線とある。1995年5月に通った時はまだ林道と呼んだ方がよい道だった。赤茶けた土の路面の未舗装区間が残っていた。寂しい道が細々と和良村の中心地に向かって南下している。

 「小川峠」の文字がどこかにないかと見ていたら、峠を少し下った所に「花いっぱい運動 小川峠花壇」という立て札があった(1997年4月)。残念ながら花は一本もなかったが、ここが小川峠と呼ぶことに間違いないことは確認できた。

 峠道はこの先、明宝村小川に下って行く。小川と言う地名が、この峠の名前にもなっているのだ。

 小川峠の花壇
小川峠花壇

小川方面の眺め
小川側の眺め

 初めて峠を越えて小川側に下って行った時は、何となく不安な気持ちであった。どこでも初めて訪れる所は多かれ少なかれ、不安が付きまとうが、特にこの小川峠越えはいやな予感がした。峠を下りきって、道幅が広くなり、これで一安心かと思うと、また途中からやたらに狭い道となる。何処かで道を間違えたかと心配になるくらいだ。しかも通行止の看板も出てきた。今は北に隣接する馬瀬村に通じる馬瀬トンネルの道が開通しているが、それがなかった時は、他に抜け出る道がないのだ。仕方無しにそのまま金山町へと入り込んで行った。

 通行止はその先にある東仙峡金山湖の下流の個所であった。手前で馬瀬村に通じる県道が分岐していて、事無きを得た。その後も確か1994年3月、やはり湖下流で通行止が発生していたと記憶する。


 峠道状況(1997年4月)

 険しいながらも県道であり、全線舗装である。峠前後の道より、東仙峡金山湖の上流、弓掛川沿い近辺の道幅が狭いのに驚く。馬瀬村より馬瀬トンネルを抜けて来る、八幡高山大規模林道(全線舗装の快適な道)を使うのもよい。奥山林道は今でも未舗装だろうか? 1995年5月の時は、それほど走りにくい道ではなかった。 


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