サラリーマン野宿旅
野宿実例 No.35
 
雨を逃れて偶然見つけたキャンプ場に避難
 
三重県紀和町(現熊野市紀和町)・千枚田オートキャンプ場にて(2004.5.3泊)
 
  
 
 去年の正月に一枚の年賀状が届いた。親戚付き合いも交友関係も希薄なので、毎年数える程しか届かない年賀状の中にその一枚はあった。ゴシック体で印刷された大きな宛名書きの裏を見ると、綺麗に整えられたキャンプ場の写真が載っていた。「千枚田オートキャンプ場」とある。どこだっけかなと、もう一度表に返し、差出人の住所を見ると、「三重県紀和町大栗須」(きわちょう おおくるす)と書かれていた。
 
 あれは2004年のゴールデンウィーク、紀州から四国にかけて旅をした時だった。何だかよく雨に見舞われた日々だった。ビジネスホテル泊が2日続いたので、そろそろ野宿泊といきたいところだが、天気予報では今夜も雨である。どうしたものかと思案していると、偶然良さそうなキャンプ場を見つけた。それが千枚田オートキャンプ場であった。
 
 今回は野宿でなく、キャンプ場泊の話となった。
  
 あの時、三重県の御浜町から風伝峠(ふうでん峠)を越えて、紀和町に入った。昨日宿泊した尾鷲市から、寂しい海岸沿いの道や、誰も来ない岬や、名も知られない神社や、旧道の峠や、相変わらず一般的な観光客とは無縁な場所を走り繋いでいた。風伝峠の次は「丸山千枚田」を目的地にしようと、同乗の友人と相談済みであった。この千枚田についても、何ら予備知識がある訳でなく、ただツーリングマップルに観光スポットとしてちょこっと示されていたというだけで、行ってみることにしたのだった。
 
 県道62号を紀和町に下り、国道311号に出て一旦風伝トンネルの方向へ少し戻ると、左に分かれる道に「千枚田」の案内看板があった。その道は狭いながらも3桁の県道番号が付いているようだった。暫く行くと、右手に流れる川の対岸にキャンプ場らしきものが見られた。林の間からカラフルなテントがのぞいていた。
  
 そう言えば、既に夕方4時を過ぎ、今夜の宿泊場所を定めなければならない時刻だ。今朝方から降っていた雨は、今は晴れ間も少しのぞくところまで回復していたが、天気予報によると今夜からまた雨が続くらしい。雨の日の野宿はつらいものがある。さりとで、この近くに気の利いた宿は見つかりそうにない。海岸沿いの新宮市まで出れば安いビジネスホテルもあるだろうが、これから紀伊半島の内陸を西へ向かうという旅程からは大きく外れてしまう。それに、既にホテル泊が二晩続いているのも気に掛かる。ここらでちょっと目先を変えたいところだ。そこで、目に止まったキャンプ場に立ち寄ってみることにした。
 
 そのキャンプ場はちょうど千枚田へ行く途中にあった。名前も「千枚田オートキャンプ場」。板尾川という川に沿って設けられ、平坦地に位置して眺めなどはないが、うるさい林などはなく、広く開けた立地だった。比較的最近に作られたらしく、設備は良さそうだ。オートキャンプ専門らしく、一般的なキャンプサイトは見当たらない。全てのサイトは、区画がきちんと分けられていた。
 
 雨の日は、こんなキャンプ場でもいいかと思ったが、まだ結論は出さなくてもいいだろう。とりあえず、千枚田を見学に行くことにした。
  
 行ってみると、丸山千枚田はなかなかのものだった。いい意味で予想を裏切られた。規模は大きく、観光客も沢山来ていた。本日の旅の中では、最も観光地らしい場所となった。
 
 急斜面に設けられた棚田の中を縫うように道を登り、ベンチがしつらえられた所で車を停め、遅い三時のおやつを楽しんだ。のんびり眼下に広がる千枚田を眺めながら、今夜の宿はやっぱりあのキャンプ場にしようかと、友人と相談をまとめるのだった。
  

 
丸山千枚田 (撮影 2004.5.3)
 
 キャンプ場に戻り、入口脇の駐車場に車を停め、管理棟に向かう。キャンプサイトではもう既に多くのキャンパーが思い思いに休日のキャンプを楽しんでいた。家族連れが多く、小さな子供たちがテントの間を走り回っている。管理棟のカウンターでは若い男女の一組が応対してくれた。どちらもすがすがしく健康そうな若者である。こうしたキャンプ場には如何にもふさわしい。
 
 今夜の宿泊の旨を告げると、何とここは完全予約制であった。うっかりしていた。国民宿舎などの混雑する宿を除けば、前もって宿の予約などする習慣はなく、キャンプ場などはその場で見つけた所へ転がり込めばいいものとばかり思い込んでいた。千枚田オートキャンプ場は、サイト数が20ばかりのオートキャンプ専門だった。フリーのテントサイトなどはなく、各サイトが埋まればもう泊まれる余地は全くないのであった。
 
 ところが、係りの若者が言うには、たまたま今日はキャンセルが一つだけあるとのこと。助かった。ただし、ACコンセント付の区画でやや割高である。一般が3,000円のところ、ACコンセント付は4,000円。それに入場料一人400円を加算して、しめて4,800円也。それを聞いてまたギクッとする。昨日泊まったツインの部屋は9,800円だった。ACコンセントどころか屋根もベッドもトイレもバスも洗面所もテレビも付いてくる。それに比べ、空が開けたテントサイト1つに4,800円は高い気がした。友人と顔を見合わせて暫し迷う。しかし、もう時間は夕方の五時になり、これからの宿探しは苦労が予想される。思い切ってそのACコンセント付きサイトに泊まることと決断した。
  

 
千枚田オートキャンプ場の看板 (撮影 2004.5.4)
 
 キャンプ場の規則や有料のシャワーが使えることなどをテキパキと説明される。利用申込書に必要事項を記入し、早速テントサイトに車を移動する。
 
 我々のテントサイトは、管理棟の直ぐ横に位置していた。乗って来た軽自動車には広過ぎるくらいの駐車スペースに、テントを張る芝生の敷地と、すのこ張り。すのこの一端には低い柱が立ち、そこに噂のACコンセントが来ていた。このサイトはACコンセント付きだからと言って、特別広いという訳ではなく、見回す他のサイトも同じ様な造りであった。各サイトの間はアスファルトで舗装され、キャンプ場全体に人工的な感じが否めないが、今日の様に雨の日は泥だらけにならずに済むのがいい。特に今回は女性の友人と一緒なので、惨めな野宿が回避できたのも良かった。
  
<テントを設営する>
 
 友人と手分けをしながらテントを張る。友人はキャンプに不慣れなので、ああだこうだと指示を飛ばしての作業となった。二人分のエアーマットを膨らませるのも骨だった。シュラフやその他の荷物をテントの中に収めれば、それでやっとテント設営の完了である。ついでに車の中も整理する。明日の朝は雨である可能性が高い。手早くテントなどが撤収できるようにと、キャンプ道具を入れられるスペースを前もって確保しておくのだ。我ながら良く気が利くのであった。
 
 テントを設営し終わった我々のサイトを眺めると、小さな車とポツンと一つテントがある限りで、如何にも殺風景だ。他のサイトに目を移すと、大型のワンボックスカーが停まり、テントの他にタープなどが設営され、すのこ張りにはイスやテーブルが並べられている。こちらのACコンセント付き4,800円のテントサイトは、どうにも役不足という感じであった。
  
 我らのキャンプサイト
 
がら空きだ (撮影 2004.5.3)
 
<キャンプ場内を散策する>
 
 宿泊の準備ができればこれで一安心。気持ちに余裕が出てきたところで付近を散策である。サイトは見事に全部埋まっている。しかし、キャンプ場全体は広々とした造りなので窮屈さは全く感じない。管理棟以外の公共の施設は、管理棟に並んでかまどもある水場と、何だか土俵を思い起こさせる様な屋根のある集会所がある。トイレは管理棟の中に水洗式だ。どれもキャンプ場の比較的端に位置しているので、遠いサイトの者はやや不便だが、我々は近くで都合良かった。
  
キャンプ場の様子 
 
右の大きな建物は管理棟 (撮影 2004.5.3)
 
 キャンプ場の南側に沿って板尾川が流れる。川底は狭く護岸は高く、広い河原がない川なのであまり水遊びには適さない。キャンプ場の敷地を出た周囲には、特に散策できるような所は見当たらなかった。結局、ほとんどキャンプ場内だけを歩き回ることとなった。
 
 今夜一晩、隣近所となるサイトの様子をちらちらとうかがう。やはり家族連れが多く、小さな子供達が一緒である。そんな中、通路を挟んでお向かいさんは、少しご年配の夫婦ふたり連れだ。周囲の賑わいはどこ吹く風と、マイペースで自分達なりのキャンプを楽しんでいる。我々もいつもの自然体でいこう。
  
 キャンプ場の様子
 
ゆったりしたキャンプサイト (撮影 2004.5.3)
 
<シャワーを浴びる>
 
 普段は「有料」と付く物には滅多に手を出さないが、周囲のキャンパーに負けてはいられないと、ちょっと奮発してコインシャワーを使うことにした。シャワー室は管理棟の奧にあった。各シャワーには一時停止ができるスイッチがあるのだが、シャワーの隣りの脱衣室に設けられ、使い勝手が非常に悪い。そこで友人と一緒に一つのシャワーを交互に使い、シャワーを浴びている方が脱衣室に待機している方に声を掛け、スイッチを入り切りすることにした。
 
 幸いなことに他にシャワーを使っている者はなく、二人で一つの個室にこそこそ入り、狭いボックスの中でいそいそと裸になる。ワンコインでシャワーが使える時間は3分と短く、その間に二人分の身体を洗わなければならない。狭い空間の中でなかなか慌ただしく、いろんな意味でちょっと興奮するひと時となった。それでもシャワーが終了した時には、見事に二人とも身体を洗い終わり、これでたったの100円かと思うと、気持ちも身体もさっぱりしてテントに戻ったのだった。 
  
<夕食を摂る>
 
 段々と日が暮れてきた。しかし見上げる空には星がなく、やはり今夜は雨のようだ。日が完全に暮れる前にと、テントの前のすのこ張りでささやかな宴にする。100円ショップで買った小さな折畳みイス二個や、コンロを使う時の風除けとする古いダンボール箱をテーブルとして並べる。これが我々の自然体と言っても、尚更、他のキャンパーと比べて見劣りするのだった。
 
 さて、折角のACコンセントはどうしたものかとさっきから悩んでいた。AC電源を使うキャンプ道具など持っている筈がなかった。しかし、ふと、電気ポットを利用する手がひらめいた。小さな軽自動車に二人が乗り込み、十日分の旅行荷物とキャンプ道具を積んだ上、電気ポットまで持って来ていた。しかし、この電気ポットの使用は最近の私のヒット作なのであった。
  
<電気ポット>
 
 旅が趣味なので、旅の道具にはいろいろ凝る方である。しかし、無闇にお金はかけない。この世の中、便利な旅行用品やキャンプ道具、アウトドア用品が溢れていて、お金さえ出せば何でも揃う。でも、それでは詰まらない。100円ショップの折畳みイスや家電製品が入っていたダンボール箱など、最低限の出費で最大限の効果を引き出すことに妙味がある。
 
 そんな中、本来旅行用品とは到底思えない電気ポットに着目したのだった。野宿が出来なかった日など安いビジネスホテルに泊まることが多いが、そんな時、食事のバリエーションが少なくて困る。ビジネスホテルの部屋には茶器が設えてあるが、それではカップラーメンを食べる程度のお湯を沸かすのが精一杯だ。安いホテルだと、その茶器さえもないことがままである。まさか、部屋の中でカセットコンロを使う訳にはいかず、仕方なく近くのコンビニかスーパーに出掛けることになる(間違っても、レストランには行かない)。レトルトのごはんが温められたら、カレーやすき焼き丼などいろいろ食べられるのに。でも、部屋に備え付けの小さな茶器にはレトルトのごはんは入らないし。そうか、レトルトのごはんが入るくらい、大きな電気ポットがあればいいんだ。
  
 幾つかのディスカウントショップなどを回って値踏みし、遂に1,980円の最低限の電気ポットを購入した。1リッターの大きさで、家庭用の2リッター以上の物に比べればまだまだ小さいが、それでも旅行荷物と一緒にホテルの部屋まで運ぶのはなかなか手間が掛かる。それに、電気ポットが丸見えでは体裁が悪いので、100円ショップで適当なバッグも購入し、その中に忍ばせて運ぶのだった。
 
 しかし、その効果は絶大で、それまで麺類しか食べられなかったのが、ごはんの食事が出来るようになったのだ。即席やレトルト物はいつも車に沢山積んで旅に出るので、食料には事欠かない。部屋に入るとそのまま翌日のチェックアウトまで、一歩も部屋を出ずに済む。疲れてホテルに到着したり、雨が降っている時などは、非常に助かるという寸法だ。
 
 最近はビジネスホテル以外の食事が付いている旅館にも持って入るようにしている。朝の出発前に1リッターのお湯を沸かし、それをステンレスポットに移して持ち出すのだ。そのお湯は旅の途中の休憩時にココアやスープを飲んだり、昼食時にカセットコンロで沸かし直して食事の用意に利用するのだ。ちょっとした飲み物を飲んだりするのに、お湯があるとなかなか便利である。また、一度沸かしたお湯は直ぐ沸騰して、寒い日などカセットコンロのガスを節約できる。
  
<電気ポットが蒸気を吐く>
 
 これはいいことを思いついたと、早速車から電気ポットを取り出した。キャンプでこれを使うとは思わなかった。今夜はカレーにでもしようと、レトルトごはんをポットに入れ、適当な量の水を注ぎ、ACコンセントに差し込んだ。
 
 ただ、この電気ポットも若干の問題があった。当初はレトルトごはんの元祖である「サトウのごはん」を食べていたが、最近は3パック198円などという低価格の物を使っている。すると、電気ポットの蓋が閉まらないのだ。どういう訳か安物はサイズがやや大きいのだ。今回も、ギュウギュウ押し込んで、やっとどうにか蓋を閉めたのだった。
 
 ごはんが温まるまで、暫く待つ。ふと、すのこ張りの片隅に置いてあるポットに目をやると、何と注ぎ口から真横に勢い良く蒸気を噴出しているではないか。「ゴジラだ」。友人と思わず顔を見合わせて笑ってしまった。電気ポットはまるで小さな怪獣が口から火を吹いているかのようだった。しかし、笑ってなど居られない。無理やり閉めた蓋がいけなかったようだ。直ぐにその蒸気を吹く小さな怪獣に近付き、様子を調べる。蒸気には沸騰したお湯の飛沫も含まれ、なかなか凶暴である。しかし、漏電することもなさそうなので、そのまま続行となった。レトルトごはんは電子レンジだと2分程度で済むが、お湯で温めるには15分程掛かる。ポットが壊れないかと気がもめた。 
  
<テントの中で>
 
 無事に食事が済むと、後は外に居てもしょうがない。雨に備えてイスなどをしっかり片づけ、テントに入る。まずは蚊取り線香を焚き、ローソクを灯す。いつもながらローソクの色合いはしんみりとした風情があって好きである。火の粉が飛んで、テントの床に小さな穴をあけてしまったが、それもお愛嬌だ。
 
 本日の旅で使った金額の精算をし、明日のルートを検討する。今日はあまり距離を走っていない。明日は少し足を伸ばさなければならないだろう。ステンレスポットに入れておいたお湯を使って暖かいカフェオレを飲む。ゆったりとした時間が流れていく。心配したキャンプ場の騒がしさも気にならない程度だ。これで久しぶりのテント泊も、無事に過ごせそうである。眠くなったらローソクの始末を忘れずにシュラフに潜り込む。
  
<夜半に雨となった>
 
 夜半より予想通りの雨となった。時折強くなる雨音に、テント内での熟睡が妨げられる程であった。しかし、こうした場合、専用のキャンプ場なら安心である。地盤がしっかりしていて、崖崩れや洪水の心配はない。これが下手な場所で野宿しようものなら、雨音どころではなく、恐怖心で眠れないこともある。今回は、ただただ雨のうるささに我慢して眠るように努めればいいだけである。
 
 しかし、雨音以外に悩まされることがあった。どうにも寒くてしょうがないのだ。5月のこの時期、昼間は車の中では暑いくらいにもなるので油断していたが、夜になって随分冷え込んだようだ。テント泊では野外の寒さがじかに伝わってくる。シュラフに何度もくるまり直して、どうにかまた寝付くのだった。
  
  
 
<起床>
 
 6時に起床。朝になっても雨は降り続いていた。太陽は出て来ないが、テント泊では夜が明けたと肌身で感じることができる。テントに入ったまま撤収作業を開始。手馴れたものだ。シュラフやマットなどの宿泊荷物をコンパクトにたたみ、雨の中を素早く車へと運ぶ。昨日、車の中を整理しておいた効果は充分だ。
 
 翌日は雨
 
狭いテントの前室で朝食 (撮影 2004.5.3)
 
<朝食>
 
 身体が充分目覚めたところで朝食の準備に取り掛かる。雨に濡れずに靴を置ける程度の狭いテントの前室に、イスを向かい合わせに並べて座る。100円ショップの小さなイスだからこそできる離れ業だ。お湯は昨晩と同様、電気ポットの活躍となる。さすがに雨では漏電が怖く、傘を差しかけることにした。狭い前室から覗いていると、期待通りにまた蒸気を吐き出すのだった。今日も元気なミニ怪獣である。
 
また電気ポットを使う 
 
雨に濡れないように傘を差しかける (撮影 2004.5.4)
 
<テントの撤収>
 
 食事が終れば歯磨きをし、こまごまとした荷物も車に仕舞えば、後に残るは空っぽのテントばかりである。びっしょり濡れていて、この方付けだけは厄介だ。少しでも雨が小降りになるのを待つ。
 
 こうしている間も、周囲のテントサイトには動きがさっぱりない。皆さん、雨の天候に朝寝坊を決め込んでいるらしい。こちらは休日をキャンプでのんびり過ごすキャンパーではなく、さすらいの旅人なので、雨だからといって、ゆっくりしている訳にはいかない。いくら待っても勢いが弱まらない雨粒に業を煮やし、テントの撤収作業を敢行した。水滴が滴るテントを荷室に押し込んで、やっと車の中に逃げ込んだ時にはびしょ濡れとなった。
  
<出発>
 
 このキャンプ場にはゲートがあり、夜間は閉まっていて、キャンプサイトからの車の出入りはできない。こういうシステムはオートキャンプ場には多い様だ。深夜に不心得な車の騒音で悩まされずに済むのはいいが、早朝出発を心掛けている旅人には少し厄介でもある。
 
 開門は8時で、ほぼぴったりにゲートに行く。管理人さんの見送りを受けて、千枚田オートキャンプ場を後にしたのだった。
  
<河原にキャンプ場所を発見> 
 
 オートキャンプ場から少し離れた国道上を走っていると、側らを流れる北山川の対岸に、テントが並んでいた。なかなかの数である。フリーのテントサイトのようだ。河原まで車が乗り入れられるようになっていて、テントを張るには便利である。それに良く見ると、トイレもあるようだ。
 
 昨日は、うまい具合にオートキャンプ場に泊まれたと思ったが、こんな近くにただで野宿できる所があったとは。こちらが先に目に付いたら、間違いなくこちらに泊まっていたことだろうに。
 

 
北山川の河原のフリーキャンプ (撮影 2004.5.4)
 
  
 
 千枚田オートキャンプ場から届いた年賀状には、「少し遠いですが今年も是非、遊びに来てください。」とあった。近いか遠いか宛先を区別して印刷しているのだろうか。
 
 紀州は是非また旅したいが、オートキャンプ場に予約を入れての旅では旅程の足かせになる。それに、ACコンセント付きの有料キャンプ場より、あの北上川の河原に足が向いてしまいそうなのであった。
 
<初掲載 2006.4.20> 蓑上誠一
 
  
 
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