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天生峠  今では新しくなった、歴史のある峠道
 
 初掲載 < 1997.10.12 >
 メールを頂きました NEW < 1999. 6.19 >
  
 
天生峠
天生峠 その先が河合村
 天生(あもう)峠は岐阜県の河合村と白川村を結ぶ国道360号の峠だ。同じ県内の村境の峠ではあるが、ちょっとした県境の峠などに比べてもその険しさは劣らない。このホームページを作ろうと思い立った時に頭に浮かんだ幾つかの峠の内のひとつである。個人的にも懐かしい峠道だが、どういう訳か参考になる写真がほとんどない。再訪してやっと今回取り上げることができた。
 
 
 河合村からの峠道は天生の集落から始まる。河合村の中心地より国道を来ると、小鳥川を渡る青い鉄骨の橋の前に「ここより天生」とある。橋を渡ると直ぐに「通行不能」の標識が立っている。ただし8m以上の大型車である。
 吉城(よしき)群河合村天生から大野群白川村荻町まで20.4Km、峠の標高1290m、天生側標高差700m、荻町側標高差800mの天生峠の峠道が始まる。

 天生の集落は山の斜面に形成されている。その集落の中をくねくね曲がりながら高度を上げる。徐々に景色が広がってくる。

天生集落入口
天生集落の入口
 
 
天生側ゲート
天生側のゲート地点
 集落を抜けるとゲート地点がある。白川村側にも同じ様にゲート地点があり、この間は人家もない峠道である。

 ゲート横にある通行規制標識には天生〜天生峠までの7.8Kmの区間が連続雨量60mmで通行注意、80mmで通行止、時間雨量30mmで通行止とある。

 
 
 更に幾つかのヘアピンカーブにより高度を上げ、天生谷川の谷間の上の方に出る。後は谷に沿った比較的直線的な道と変わる。大きく開けた谷の眺めがいい。

 この谷が長いのだ。初めてこの峠道を通った時は白川村からだった。やっと峠を越えて後は下りだと思ってからがやたらと長い。いつまで経っても天生の集落に着かない。このまま永遠に走り続けなければなかないのかと思えた。その時の険しさが印象的な峠道だった。

天生集落付近の景色
天生側の眺め
 
 
峠に向かった景色
谷に沿った道が長い
 いよいよ楽しい峠道なのだが、何か変だ。やたらと走り易い。いつまで経っても道幅が広く、アスファルトの路面状況もいい。道の脇に車を寄せて止まり、景色など眺めていると、乗用車が2台ほど傍らをさっさと走り抜けて行く。以前何度か通った道だが、その時はほとんど通る車を見なかった。
 
 
 最初の谷の直線部を詰めると、右方向にコースが展開する。すると工事区間と標識がある。路面が急に悪くなる。コンクリート舗装の様な古い路面である。道幅も狭く、対向車があっても簡単にはすれ違えない。きついカーブに差し掛かる。崖が急でもガードレールはあちこち傷んでいる。運転が慎重になり、緊張が増す。やっと期待の峠道になった。
 と思ったら、工事区間が終わり、元のきれいなアスファルト舗装がまた現われた。しかしまだまだこの先に楽しい道が待っていると期待して進む。
昔を留める道
工事箇所 昔の路面が出ている
 
 
新しい峠
切り通しが峠 左は開削中の林道
 間もなく先の緑の森の間に、赤い屋根の建物が見えてきた。以前にはあんな恥ずかしい物はなかったはずだ。何だろうと思っている間にその建物の前に着いた。周りは広場になっている。そして何とそこが峠であった。
 以前は暗い切り通しで、眺望もなく、あっという間に通り過ぎる峠であった。わざわざ車を停める気にもならないので峠の写真を撮ったことがない。残念なことをした。昔の峠の様子をせめてフィルムにだけでも留めておきたかった。
 
 
 この峠で何やら催しが行われた様だ。サテライト会場とある。ステージらしき物もある。赤い屋根の建物は立派なトイレであった。広場を挟んで峠の切り通しと反対側には林道が伸ばされている。工事車輌が走って行った。

 道は良くなり、峠も一休みしていこうと思う様な峠になった。通交するには確かに便利だし、気軽にドライブしに来れる峠道はそれはそれでよい。しかし…。

峠の建物
峠のトイレ
 
 
白川村のゲート
白川村のゲート(冬期閉鎖)
 白川村側も同様である。普通乗用車でも以前は気合を入れて曲がらなければ、一回では曲がりきれないきついヘアピンカーブも今はない。スイスイ下っていける。結局天生側にあった工事区間の道だけが私にとって懐かしい道だったのだ。

 下のゲートに着いた。道は良くなってもまだ冬期閉鎖になり、ゲートはその間閉じられるのだと思う。少なくとも1994年(平成6年)11月25日から翌年の5月31日までは通行止であった。

 
 
 途中に掛かる新しい橋に平成6年3月20日竣工とある。私が最後に峠を越えたのが平成5年の9月だ。その後に大規模な改修があったようだ。

 白川村側の下り途中に昔からある「白山連峰案内図」という案内板が、古びているが今も立っている。そこから白山連峰が眺められる。今回は天候が悪く全く見えなかった。そこでむかし撮った白山連峰の写真を載せる。

白山連峰
白山連峰を望む(1991年6月)
 
 峠道状況(1997年9月)

 河合村側に一個所工事区間があるが、そこ以外は走り易い。ガードレールも完備され危険もない。普通乗用車で無理なく通交できる。

  
 
 
メールを頂きました
こんにちは

岐阜県の「天生峠」を掲載しているホームページを探していて「峠と旅」を見つけました。
結婚記念日の6月12日に、22年前結婚したころ通った天生峠に行って来ました。
作者の言うとおり、峠付近は恥ずかしい赤い屋根の建物や駐車場が出来ていました。
22年前撮影した写真を持っていき見比べましたが道路開通記念の石碑以外はぜんぜん別世界になっていました。その当時、天生峠と書かれた高さ5mくらいの大きな道標がありその隣で若かりし美しかった?
頃の嫁が写っている写真見ながら探しましたが、見つかりませんでした。
あきらめて出発しようとふと草むらを見ると根本が腐ったのだろう、朽ち果てた道標を見つけました。
ふたりで「年とるはずだね」と苦笑しながらカメラに収めました。
 
22年前はオフロードバイクでのタンデムツーリングでした。
この峠道は、河合村から白川村まで全線、舗装はしてありましたが、普通車が一台やっと通行できるような道でした。走っていて「ホントにこの道で大丈夫なの」嫁がしつこく聞いていたのを覚えています。
でも、今回走ってみると作者の言うとおり、立派な道になっていてちょっとショックでした。
若干昔の道が残っている書いてあったので期待してましたが、たぶんその区間も整備が済んだんでしょうね。
 
22年前の峠の写真。友達のスキャナーで取り込んで次回送ります。
「峠と旅」楽しみにしていますのでがんばって下さい。
 
 山本さん有難う御座いました。ほんとに以前の天生峠の道は心細くなるような峠道でしたね。
 昔の峠の写真を頂けるとのことで、楽しみにしています。また頂きましたら、このページにも掲載させていただこうと思っています。 

   
 天生峠Part2
 
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