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長慶峠   白神山地を秋田県から青森県に抜ける峠道

(長慶峠 再掲載 2023.11. 5)
   


 青森、秋田の県境に広がる白神山地は世界遺産にも指定される、ブナなどの原生林がうっそうと茂る貴重な自然の宝庫である。そのただ中を青森から秋田に抜けようとした青秋林道が中止となったことは正しいことと考えるべきだと思う。しかし一方でそんな林道ができたら真っ先に通ってみたいと思う気持ちも否定出来ない。

 代わりといってはなんだが、原生林の雰囲気を味わえるのが秋田県の田代町から青森県の相馬村に通じる長慶峠越えの田代相馬林道である。分かり易い林道名だ。

長慶峠

長慶峠 奥が青森県相馬村

 秋田県側からは国道7号を田代町で別れ、早口川沿いを北に溯る。人家が切れると未舗装となり(1992年7月現在)、やがて早口ダムが見えてくる。峠まではさらに10Km以上ある。青森県側に比べるとこちらの秋田県側の方が展望がよい。

 峠には県境の標識とその近くに長慶峠と書かれた石碑が立っている。峠付近での眺めは全く望めない。


 田代町側にはもう一つのルートがある。岩瀬川沿いを溯る岩瀬林道だ。岩瀬林道は峠直下で田代相馬林道に合流するので、ほとんど別ルートと考えてよい。途中山瀬ダムを眺め、更に進むと、ほとんど視界のきかない森の中となる。

 その森の木々の間から異様な人工物が見え隠れする。ロケット燃料燃焼実験場だ。自然の中に忽然と現われると不気味な感じを受ける。重量車両が通る為か、路面が荒れている。

岩瀬林道の分岐

左は峠へ 右が岩瀬林道


 峠から相馬村側は原生林が覆い被さり、終始眺望がない。ただただ森に圧倒されるばかりだ。

 途中これでもかという大きな林道標識が立っている。峰越連絡林道田代相馬線と大書されている。相馬側は一本道で間違いようがないのだが、それでもこういう様に標識が出ていると、自分が今思い通りの正しい道を走っているのだと安心出来る。

 一般に林道では標識が少なく、分かりにくい分岐に出くわし、頭を悩ませることなどよくある。そんな林道走行では、ちょっとした標識でも随分助かることがある。

青森県側

青森県側

この先が峠

林道標識

林道標識


 相馬側は急坂を下り終えると、相馬川沿いの安定した道となり、間もなく舗装路が始まる。そこが林道起点である。振り向くと通行止と出ている。田代では特に何の標識もないのだが、やや気に掛かる。

 最初に訪れた時は、この大自然の峠道で折角だから何処かでキャンプなどしようと思っていた。しかし熊に注意の看板を見かけてあっさり断念した。

林道起点

青森県相馬村 林道起点


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