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 大峠    新道が出来て幻の峠に   (初掲載 1997. 6.20)
  
大 峠(回想) 2013. 9.19 (最終版)

 山形県米沢市と福島県喜多方市を結ぶ国道121号は、今は立派な大峠トンネルを抜け て行く。しかし何年か 前は険しい大峠越えの道であった。幸運なことに新道完成前に一度だけ通ったことがある。しかしその時はカメラを持っていなかった。新道完成とともに旧道は 通行止が続き、その後何度か訪れたが通ることは出来なかった。ここに載せられる旧道の峠の写真がなく、私の記憶もはっきりしない。大峠は私にとって幻の峠 である。  大峠トンネル

大峠トンネル 米沢市側入口


 大峠という名の峠は時々見掛ける。例えば青森県の八甲田山、死の雪中行軍の大峠。山梨県大月市、真木小金沢林道の大 峠。高知県国道439号、吾北 町と池川町の境の大峠。いろいろあるなかで、どうもこの大峠が私は気になってしょうがないのだ。
   

 米沢市側では新道の脇に旧道の名残が伺える。曲りくねった旧道の真ん中を新道が貫い た。蛇行していた川 は、氾濫によって直線的な流れと変わり、元の川の一部が三日月湖として残ると聞く。そうしたもう水が流れることの無い三日月湖のように、旧道ももう車を通 すこと無く朽ち果てていく。1991年8月まだ新道は無く、私は東北ソロツーリングの帰りにオートバイで峠を越えた。そして次の年の9月には新道が出来、 旧道は通行止であった。 
旧道の名残

旧道の名残(左端)

 
旧道分岐

米沢市側の旧道分岐(奥)

 旧道は米沢市側で新道から左に分岐し、一旦新道の橋の下を反対側にくぐり、また左側に戻って、その先新道と大きくコースを外れて行 く。旧道は喜多方市に越えるが、新道は一旦熱塩加納村に抜ける。 

旧道入口

分岐直後の旧道

 1995年8月現在も峠の手前で路肩欠損の為全面通行止で、期間は当分の間とある。


日中橋

日中橋

残熱塩加納村

新道 熱塩加納村側

前方が県境の山脈

 

 新道は冬期も通行出来るようだ。道幅が広く、山をトンネルで抜け、谷を橋で渡り、直線的に伸びている。昔はとことこ越えていた峠道を あっという間 に走り切ってしまう。それなりに眺めは良いのだが、スピードを出した車に追い立てられ、景色を楽しみながらのんびり走るという訳にはいかない。

 新道が旧道と途中から大きく外れて建設されたことは幸運だった。旧峠道が全線ズタズタにされることなく、一部昔のままで残る可能性が ある。いつか また開通して、私の幻を蘇らせて欲しい。

   


大峠Part2 (初掲載 1997. 8.23)

  大 峠(回想) 2013. 9.19 (最終版)


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