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![]() 峠にある「千石越」の碑 |
紀伊半島は未舗装の林道がまだ多く残っており、旅をするのが好きな地域の一つである。東京からでも高速道路を東名、東名阪、伊勢と乗り継げば一日足らずで着くことができ、短い休暇でも少し無理をすれば旅ができる。そういう訳でこれまで何度となく訪れている紀州であるが、峠道となるとあまり印象に残っているものがない。楽しい林道は多いのだが、峠を越えるという趣がある道が少ないのだ。その少ない中でこの千石越は特に思い入れがある。峠道として面白いのもそうなのだが、最初、2回目と不運にも通ることができなかったので、特別に印象に残っている。 |
千石越は三重県の大内山村と宮川村を結ぶ千石越林道の村境の標高650m前後の峠である。名前に峠の文字は付かない。峠には「千石越」と書かれた石碑があり、三重県知事の名が刻まれている。千石越林道は林道と言っても残念ながら今はもう舗装されてしまっている。 |
![]() 大内山村側の入口 ここを右に入る |
![]() 大内山村 この先踏にみ切り |
入った道を直進すると直ぐにJR紀勢本線を大内山駅近くの踏み切りで越え、さらに大内山川を渡って道なりに進むと、大内山川の支流唐子川沿いを走るようになる。頭之宮四方神社を左に見て、その先左にグリーンパーク大内山への分岐を分けると後は迷うことがなく、ほぼ一本道である。 |
![]() 大内山村側の林道途中にある南亦山森林公園から峠方面を眺める |
上りの途中、整地された広場に小さな東屋と「南亦山森林公園」と書かれた木の柱が立っている。そこの案内図によると、その近くに南亦山遊歩道が設けられているようだ。公園からは峠に続く道筋が見え、眺めもよい。 |
![]() 未舗装当時 |
![]() 峠 |
舗装されたとはいえ、もともと崩れ易い斜面に作られた道。アスファルトの上に落ちてきた石が散らばっている箇所が少しある。これが砂利道ならその程度の落石は何ら問題無いのだが、アスファルト舗装されているとかえって走りにくい。小さな小石が無数に散らばっていたりすると、その上を滑ってしまい、とっさの時にブレーキが効かず、焦ることもある。 |
それにしても未舗装の時に通ることができていたらと残念に思いながらも峠に着いた。峠からは大内山村側、宮川村側ともに眺めが広がる。 |
![]() 峠からの大内山村側の景色 |
![]() 峠からの宮川村側の景色 |
![]() 宮川村側の木立の中の道 |
宮川村側の下りは最初は展望がよい谷あいの道だ。宮川村は三重県で一番面積が広く、そしてそのほとんどが森林である。その眺めも宮川の支流、島谷沿いの道に変わると林に囲まれ眺望はきかない。しかし木立の中の道も気持ちがいい。 |
2度目に来た時は宮川村より越えようとした。前日高速道路を走り繋いで津市に泊り、その日いよいよ峠越えだと林道への道に曲がった途端、ステアリング付近から大きな音がした。数日前からおかしいと思ってはいたが、肝心な時に事態は悪化。迷った末、無理して林道途中で身動きが取れなくなったりしてはと、断念して帰ることとした。ステアリングはなるべくゆっくり、あまり大きくきらなければ異音はしない。おっかなびっくりまた一日掛けて家まで走り、折角の連休は2日でおじゃんとなった。 |
![]() 宮川村側の林道入口 |