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勝北峠  石狩山地の密林の中を行く
しょうほくとうげ


<掲載 1999/ 6/20> 今月の峠 1999年 6月 として

勝北峠
勝北峠
先が置戸(おけと)町、手前が上士幌(かみしほろ)町

 北海道の上士幌町と置戸町は勝北峠で繋がっている。ここを越えたのは一度だけで、それももう7年前のことになる。最近暑くて夜も寝苦しいので、ここ数年御無沙汰している北海道のことでも思い出しながら、気分だけは涼しくいこうと思う。

上勝北林道
上勝北林道の入り口
上士幌町の国道273号から分岐している

 7年前の7月下旬、留辺蘂町から国道39号で石北峠を越えて上川町に入り、さらに大雪湖より国道273号に乗り換え三国峠を越えて上士幌町に入った。北海道の最高所の車道の峠である三国峠はほんとに雄大である。またその時は上士幌町側にまだ一部未舗装区間が残っていて、ちょっとした険しさも感じられた。
 峠を下り始めて、さてこれからどうしようかとツーリングマップを見る。国道273号は以前糠平湖の方から遡ってきたことがあるので、どこか脇道に外れたいのだ。すると選択肢はただひとつで、勝北峠を越えて置戸町の鹿の子ダムの方に抜けるしかない。
 国道から分岐する未舗装路をひとつ見付けたので入ってみると、入り口に「上勝北林道 延長4.8Km」と出ていた。名前からしても勝北峠につながっていそうなので、そのままその林道を進むことにする。

 林道周辺は密林に覆われ、盛大に繁殖した草が路上にまではみ出さんばかりである。視界は広がらないし、草木に飲み込まれそうで、あまり気持ちがいいものではない。でも道そのものは走り易いダートで、間もなく別の林道に突き当たった。どうもこちらが峠に続く本線の林道らしい。支線林道が上勝北林道と呼ぶのだから、本線は勝北林道に間違いないだろうと断定的に思うのであった。
 その勝北林道も同じ様に走り易いダートが続いていた。峠に向かっている筈なんだが、一向に登りらしい登りにならない。よって展望もぜんぜんない。自分以外に通る車もなく、よそ見をする必要もないのでどんどん先に進んでしまう。

勝北林道
上勝北林道が終わり、別の林道に突き当たった

勝北峠
勝 北 峠
← 十勝三股10K、鹿ノ子ダム19.8K → 

 前方に何やら看板などが立っているのが見えた。一応止まって確認してみると、なんと勝北峠と出ているではないか。その部分は全く峠らしくない。本来峠は登りから下りに変わる地点でなくては困るのだが、勝北峠はほとんど平らなままで過ぎてしまうのだ。峠と書かれた看板がなければ、そこが峠だとは分かりそうもない。
 看板に「十勝三股10K」とあるのは、多分勝北林道が国道から分岐する地点よりこの峠までの距離であろう。
 また置戸営林署の看板に「常呂川本流林道」とある。峠より置戸町側の林道をそう呼ぶようだ。
 峠の写真を撮ったら後はすることもないので、峠を後にしてまた走り始める。鹿ノ子ダムまでまだ20Kmを残しているが、このダートがそのまま続いてくれるなら、それほど時間は掛からない。

 置戸町側もやはり森の中。直線的な道が多くて、距離はどんどん進んでしまう。右に平の沢林道を分岐するところで舗装路となった。これで未舗装の峠道も終わりかと思うとちょっと残念だが、早く視界が広がったところに出たいとも思う。
 舗装路はその内センターラインのある立派な道路となり、湖の岸に出てきた。密林から抜けてやっと気分がはればれする。この湖は鹿ノ子ダムに堰き止められた人造湖であるが、名前は「おけと湖」と言うのが看板で分かった。
 岸辺に降りられそうな道があったので入ろうとすると、何やら遊戯場らしいところに出てしまい、慌てて引き返した。こんなところで経営が成り立つのであろうか。ひと気は全くないのである。

置戸町側
ダートが切れて舗装路が始まった
「←平の沢林道 ↑十勝三股」

置戸湖
おけと湖と正面奥に鹿ノ子ダム

 その後置戸の市街を抜けて、北海道の旅はさらにふらふら進んでいった。北海道は梅雨もなくてすがすがしいし、あの雄大さは仮に猛暑の夏でも気分がはればれするというものだ。今年の夏季休暇こそはまた訪れたいと思っていたが、なんと去年と同様仕事の都合で休めそうもない事態に現在陥っているのである。いつになったら行けることやら。私の北海道を返してくれ〜。


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