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万波峠 (仮称)
  まんなみとうげ  (峠と旅 No.269)
  国道360号と国道471号を山中で結ぶ林道の峠道
  (掲載 2016.12.13  最終峠走行 1996. 8.13)
   
   
   
新万波峠(仮称) (撮影 1996. 8.13)
手前は戸谷の上流方向
奥は大谷方面へ
左に万波峠方向に短い道の分岐
道は大谷林道
峠の標高は約1,070m (地形図の等高線より)
(上の画像をクリックすると別ウィンドウに拡大画像が表示されます)

   

<前置き> 
 楢峠を掲載した折り、古いアルバムをいろいろ眺めていると、 岐阜県の旧宮川村(現飛騨市宮川町)の打保(うつぼ)から始まる大谷林道の看板が撮ってあり、その後どこかの峠(後で新万波峠と判明)を写し、 次の瞬間、楢峠に通じる国道471号の杉平(すがだいら)の林道大谷線分岐が写真に収めてあった。 楢峠を再訪した時(2016年10月)は、大長谷川(おおながたにがわ)沿いの難所を始めて走った積りになっていたが、何のことはない。丁度20年前(1996年)、既に訪れていたのだった。
 
 1994年から1996年くらいの間、毎年1度か2度、この岐阜・富山の県境付近をよく旅していた。 岐阜県の河合村や白川村、富山県の八尾町、山田村、利賀村などである。この地は峠や林道が多い。ジムニーを泥だらけにし、自分自身も野宿旅で埃にまみれながら走り回っていた。 未舗装林道などの険しい道を好んで走るので、舗装路であれば少しくらい険しくとも、全く意に介さず通り過ぎていた。
 
 それが20年経ってみると、大長谷川沿いの国道471号が怖い怖い。思わずはしゃぎたくなる程の興奮を覚えた。 20年前に訪れた時は、別に何とも思わず、何の記憶も残らなかった道である。若い時の方が感受性が豊かだと思うが、歳を取って物の奥深さを理解できるようになった為だろうか。ただ単に、怖がりになったというだけの気もするが・・・。
 
 そんな訳で、今回の峠はそれ程思い入れがあるのではなく、この峠道も越えたことがあったのだと、自分自身が納得する為に記すようなもの。詳しい内容はないので、悪しからず。

   

<峠名>
 本来の万波峠は宮川(みやがわ、神通川水系)の支流・戸谷の上流部にあり、井田川(いだがわ、神通川支流)の支流・久婦須川(くぶすがわ)の上流部の万波川との分水界にある。 一方、最初に挙げた写真は戸谷の南の大谷沿いに通じる大谷林道の峠で、万波峠の南約0.5Kmに位置する。 万波峠の代わりの車道の峠であり、その意味では「新万波峠」と言えそうだが、あくまで仮称である。万波峠は大きく宮川と井田川との分水界であるが、新万波峠は大谷と戸谷との分水界にあり、どちらも宮川水域に属す。大谷林道は新万波峠の先で、結局は井田川水域へと別の峠を越えて行く。

   

<地形図(参考)>
国土地理院地形図 にリンクします。
   


(上の地図はマウスによる拡大・縮小、移動ができるようです)
   

<峠の連続>
 大谷林道は更にその西側で小坂谷林道(万波(上)林道とも)に接続し、旧宮川村と旧河合村との境を越え、井田川本流の上流部である大長谷川沿いに至る。 結局、宮川沿いの国道360号と大長谷川沿いの国道471号とを小さな3つの峠を越えて林道が繋いでいて、これで一つのセットと言える峠道だ。

   

<工事看板>
 1996年8月13日、富山県の旧大山町(現富山市)にある有峰湖より大多和峠を越えて岐阜県の旧神岡町(現飛騨市)へと下って来た。大多和峠の岐阜県側に通じる未舗装林道が、数年前から通行止となってしまったようで、今はもう大多和峠を越えることができないのは残念だ。
 
 次に向かったのが新万波峠を越える大谷林道だった。国道360号から分かれると直ぐに、工事看板が立っていた(下の写真)。

   
工事看板 (撮影 1996. 8.13)
   

国道471号通行止の看板 (撮影 1996. 8.13)
赤い部分が「施工現場」
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大画像が表示されます)

<工事内容>
 ただ、工事内容は林道を抜けた先の国道471号に関する物だった。国道360号と国道471号を繋ぐ区間の道は通行できそうだった。
 
 楢峠前後の国道417号は、半年に渡る冬期通行止に加え、この時の様に災害による通行止も頻繁で、なかなか通り抜けができない険しい国道だ。
 
 看板には「富山県側で災害工事の為」とあるが、赤字で示された施工現場は岐阜県側である。 打保から始まる林道は幾つかの峠を越え、丁度、富山・岐阜の県境部分で国道471号に接続する。 「通り抜け出来ません」というのは、岐阜県の旧河合村(現飛騨市)の角川(つのがわ)に対してであり、富山県の旧八尾町(やつおまち、現富山市)方面へは出られるようだった。

   

白木峰登山案内略図の看板 (撮影 1996. 8.13)
(画像をクリックすると別ウィンドウに看板の画像が表示されます)

<白木峰登山案内略図の看板>
 新万波峠に関しては、峠以外の写真は看板だけである。大谷林道入口付近だろうか、「白木峰登山案内略図」と題した看板を写している。
 
 その看板に書かれている文字を列記すると、 打保谷・大谷・戸谷・桑谷・白山神社・大谷林道・万波峠(1042M)・万波川・白木谷・ウラ谷・蕎麦角山(1222M)・ゴミ谷・中俣谷・万波高原・前白木(1522M)・遊歩道・白木峰(1586M)・大坂谷・小坂谷などである。 白木峰の標高は1586mとなっているが、1596mの間違いのようだ。
 
 この登山案内では万波峠から前白木経由のコースが紹介されているが、白木峰へは国道471号の杉平より林道大谷線が登っている。その林道入口を撮ったのが次の写真だ。

   
杉平の林道大谷線分岐 (撮影 1996. 8.13)
   
   
   

 新万波峠を越えた時の写真はこれで全てで、他には何の記憶も残っていない。杉平の分岐の様子が今とかなり違うのがちょっと面白いだけだ。 しかも、ここは楢峠の峠道である。今回は個人的な備忘録として掲載しただけでほとんど客観的情報がなく、申し訳けないと思う、新万波峠であった。

   
   
   

<走行日>
・1996. 8.13 新万波峠から杉ヶ平へ ジムニーにて
 
<参考資料>
・中部 2輪車 ツーリングマップ 1988年5月発行 昭文社
・ツーリングマップル 4 中部 1997年3月発行 昭文社
・ツーリングマップル 4 中部北陸 2003年4月3版 1刷発行 昭文社
・県別マップル道路地図 21 岐阜県 2001年 1月発行 昭文社
・その他、一般の道路地図など
 (本サイト作成に当たって参考にしている資料全般については、こちらを参照 ⇒  資料

<1997〜2016 Copyright 蓑上誠一>
   
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